次の夢を追いかけて 

 


旅がらすの乱RUNらん

 

 
  
2010年5月1日   さくらみち 白鳥から蛭が野、白川郷、県境へ

 

 できれば日付が変わる前に往復も休憩もすませて民宿さとうを出発したかった。白鳥まで長かった。
 向小駄良の民宿村を往復する区間では、次々と仲間たちにすれ違う。エール交換しながら進む。顕影碑入り口は細い道。真っ暗な中で曲がり角がわかるか心配だったけど、そこにはは〜さんがいたので大丈夫。寒い中ありがとうございました。どうせなら、帽子をとっていたら照明になってもっと助かったが。

 

 

  0:09顕影碑着。折り返して民宿さとうに戻り、休憩(116.2km)。日中はあまり暑くならずにすみ、郡上八幡では14度くらいあって、気温的にはここまでは好条件だった。が、夜遅くなるとぐんぐん下がって寒くなってきた。このさき標高が上がりますます寒くなるので、ここでしっかり着込むことにした。ロングTの中に、ユニクロヒートテックを着た。外にはモンベルの超薄手ウインドブレーカー上下。どれもめちゃ軽くて小さくなるので、ルーファスに入れて担いで来ても、邪魔にも重荷にもならなかった。そして十分暖かい。着替えて出てきたら、さり〜♪さんの姿が見えた。お泊りモードみたいだったので、引き込まれたら大変だから逃げた。
 民宿の玄関前のテントで、たらちゃんやもみさんが炊き出しをしてくれてた。おにぎり、シシ汁、名古屋風みそおでんをごちそうになった。トン汁はよくあるが、シシ汁は初めてだ。おいしく温かいものを食べて、根が生えないうちに出発。エイドの写真が0:38.、出発直前の撮影だったと思うが、、、

 

 

 暗い夜道の一人旅になった。長良川鉄道の終点北濃駅までも長い。どんどん寒くなる。そして、やばい、ポツポツとふってくる水滴が、雨だ。疲れても、上り坂でも、ここで歩くと眠くなる。寝たら低体温になり、命の保証がない。危険だ!初めてここを走ったときわかった。「夜道は歩けない」
 
では、どうする?夜明けまで、ひるがのへの登りは頑張って走るしかない。そして2晩目はもっと眠くなるからその前にゴールする!!ンな無茶な〜〜。だから、日中気温の高い時歩いて眠気を誘い、道端で短時間眠る。これが旅がらすの戦術。だから、頑張って走りましたよ。傍目には歩いてるとしか見えないけど。でも、ユニクロヒートテック最高!こんなに雨に濡れても、寒くならない。長年の悩み、課題が解決した!1500円は普段着としては高いけど、高機能ランニンググッズと考えればめちゃ安い。
 そして無事、高鷲商工会館前についた。せっかくここまで無事だったのに、「高鷲の村の中にはコンビニの隣にきれいなトイレがある。そこにしよう。」とそのトイレをスルーしたのが危機の始まり。う〜〜ん。旧道に分岐したとたん、突然に。ほんの100〜200mなのに戻りたくない。こらえてこらえてコンビニを目指す。村に入った。旅館や店もある(真夜中で閉まってる)。コンビニの隣まで、トイレを借りるところはない。何度も襲いかかる危機を乗り越え、村を通り過ぎ、コンビニが見えた。トイレに直行。ふ〜っ。この区間も長く感じた。無事で良かった。
 高鷲からさらに登り、「長良川最上流」の看板のカーブ。登りがきついところだ。最上流なんていうともうすぐ分水嶺に着くかと思うがまだまだ。これからが長い。無理して走っていたら吐き気がひどくなり、ダイナランドあたりで、もう走れないし眠いしフラフラになってきた。胃がからっぽのとき悪化するので少しずつパンなどを食べて治まっていたが、こんどはかなりやばい。そこに八重ちゃんさんが追い付いてきた。「ナ○○○ン持ってるよ」吐き気止めだ!ちょうどよい。さっそくドーピング。これで大丈夫と自分に言い聞かせ、先を目指す。が、だめだ。ゲーゲーやったら、何も出て来なかったが、嘔吐反射で体がびっくりして眼が覚めた。急な登りを走って分水嶺着(136.5km)。真っ暗を脱し、薄明るくなってしまった。4:35になっていた。2回目のときより1時間遅れだと思う。一応走り続けてこれて、そんなにくたばっていないのに、なんでこんなに時間かかったのかわからない。ここから、そんな調子でどんどん時間が伸びていく。(と思って調べたらここでは30分遅れ)
 一番冷え込む時間に一番標高が高く寒い場所。道端には雪が残る。

 

 

 すぐ先にかの有名な「てぬきうどん」があった!これを食べるのが夢だった!嬉しい!!なぜ手抜きというのかわからない、おいしかった。うどん以外にも、トマトなどいろいろいただき、おなかいっぱいだけどこのあと40キロもコンビニがないので、すぐ先のデイリーで行動食を調達。すっかり夜が明けた。

 

 

 寒いはずだ。道路の温度表示はマイナス1度。初めての時もめちゃ寒いと思ったが4度だった。そのときより寒さを感じないのはユニクロヒートテック1500円のおかげだ。これは少し下り、夜も明けてからなので、最低気温はもっと寒いかもしれない。雨が止んだからまだよいが、くたばりかけた人は無理せず民宿で休んでワープの旅にするのが正解だ。
 道のわきには水芭蕉が咲いている。GWのウルトラから帰ったら、尾瀬の麓に水芭蕉を見に行くのが旅がらすの年中行事。今年は日程とれるかなあ?

 

 

 下り坂だからって、もうペースは上がらない。競うわけではないが、前後する人とそれぞれのペースで抜きつ抜かれつ。道の左は沢が流れどんどん水量が増し本格的に川になる。長良川を源流まで登り、荘川にそって下り、これも「川の道」だなあ。牧戸までの下りも長い。牧戸で左折ししばらくすると、左の川幅がやたら広がり、御母衣湖になる。橋を渡り、トンネルをくぐって荘川桜へ(151km)7:08着。普通の桜は咲いているのだけど、、、(ここが前回6時半。大幅遅れではなかった)

 

 

  荘川桜にかぎってまだまったくの蕾だった。なんでだろう。ここの駐車場2か所にも私設エイドがあり、コンビニのない区間に助かった。環境のため排泄物を分解する仕掛けのついたエコトイレがありおもしろいので、じゃなく、用があるからだけど、使っていく。
 ここから、トンネルをいくつもくぐって御母衣ダムまでも長い。

 

 

 福島3号トンネルをくぐるとダムを通りこして下に出ていた。くねくねと急坂を下る。ロックフィル式のダムが見あげられる。電力館にトイレあり。が、敷地が広く=トイレまで距離があるのでやめた。

 

 

 山奥の、のどかな気持ち良い森の中を進む。景色は好きだけど、いつもまだ先が長いのに疲れがピークとなるつらい区間。晴れていて気温があがってくる。

 

 

 合掌造りの旧遠山家住宅。その先、白山登山口で平瀬の旧道に入る。秘境感満載のところだ。おらほの山奥みたいに。

 

 

 平瀬は温泉があって、民宿も多く山奥だけど開けた村だ。今日は1軒の民家が大エイドを店開きしてくれた。田口建設さん、ありがとうございます!

 

 

 白川郷まではまだまだ長くて、一番リタイアの誘惑が多いところ。今回も、時間ばかりたって距離が進まず、あ〜、43時間切りどころか45時間も難しそう、もう一晩明かすのか〜と思うと弱気になり、やめたくなってきた。でも、まだ十分時間内に間に合うのだから、もうひと頑張りしよう。白川郷に着いたら観光がてら歩いて一休み、と奮い立たせる。
 白川郷分岐手前の駐車場にP車があり、手を振ってくれた。分岐を入ろうとすると車が速攻移動してきて、Pご夫妻が声をかけてくれた。差し入れも。(このあとなら、ぜんざいが出たそうだが)ありがとうございます!175.3km11:42。合掌造りの家が並ぶあたり、前回から40分遅れ、ここまでは平行移動だったんだ。

 

 

 合掌村はせっかくだから歩いて散策。白川茶ソフトなど買い食いし、ぶらぶらしてたら計算通り眠くなってきた。道端の空き地を見つけ、庭石をベッドにひと眠り。白川郷を出て、萩町のコンビニでここからまた40キロくらいないから、食糧調達。

 

 

 長いトンネルが連続する。うんざり。「飛越峡合掌ライン」の看板からは、荘川の流れが曲がりくねり、橋を渡るたび、岐阜県、富山県が入れ替わる区間。景色が良く、ゆるい下りなので、長いけど何とか乗り切れる区間だ。

 

 

 五箇山の合掌造りの家まで来ると、先が見えた気分がする。まだ下梨までは長いが。次の橋は「民謡橋」ボタンを押して選んだ民謡が流れる。こきりこ節が耳に残っている。

 

 

 越中五箇山菅沼集落、これも世界遺産。ここの通過16時過ぎは、1回目のときと同じだ。白川郷からここまでで、ベストとの差がさらに1時間開いたわけだったんだ。気持ちが焦り、上梨、下梨まで長く感じる。17時半、やっと204.5キロの下梨に着いた。ここまで来ると、残りが少なくなった感じがする。完走だ!ネイチャー映画主演、助演のnakayosiさん、S山さんたちが大エイド。五箇山豆富おいしゅうございました!トンネルまでは4kmで1時間かかる急な登り。明るいうちにと思い、先を急ぎ17時40分ごろ出発。

 

 

 急坂を歩きだけどガシガシ頑張る。1時間かからず、18時半、トンネル入り口に着いた。長いトンネルを抜けたらもう暗い。初回のときだって薄明るかったのに、まあ、焦るのはよそう。エイドで休んで19時半、下り始める。下りなのにペース上がらず、長くて長くて、下界の灯が見えるが近付かない。やっと平地に下り、田んぼの間の直線をゆるく下る。なかなか街に入らない。1時間以上たった。20時40分ごろ、左の家がお神酒所みたいに大エイド。(城端は祭りも有名な街)

 

 

 いろいろごちそうになり、トイレも借りればよかったけど、またやってしまった!靴を脱ぐのが面倒でつい、、城端は初めて来たとき不思議な感じ、驚いた。メインの通りが工事中で、両側の家もほとんど改築中か、改築直後。新しいのに、統一された独特の古い作り。なんだろうなあ?昔の街並みの復元だった。が、街並み観賞どころではない。トイレのある駅はまだか、まだか。前後していた地元から参加のランナーが、知人の家があるからと戸を叩いてくれたが、留守だった。やはり駅に急がなくちゃ。慌て過ぎて男便に入ってしまった(ナイショ、ってネットで世界に白状してしまった)まあいいや、うんこもらしたわけじゃない。
 街を出て、福光までの田んぼ道に、チョー久しぶりのコンビニにお目にかかる。この2軒のどちらかに入らないと、また森本直前のローソンまでない。
 福光で、やはり大会じゃないと会えない坂上松華堂さんの大エイド。225.9km。22時ごろだったかなあ。おかゆにしますか?味噌汁にしますか?と聞かれ、選ぶ人、両方の人いたけど、「味噌汁におかゆ入れてください!」「あ、ぶっかけね」弱った胃に優しく、塩分もとれて助かった。道の駅はスルーして、県境への登りに入る。これがまた長い。福光から9.5キロ、1時間半と思ったけど、2時間かかっても着かない。似たようなところばかりで(真っ暗なので景色が見えるわけじゃないけど)キツネにだまされてる感じ。2晩目で眠いから、みんなわけわからなくなる、幻覚に惑わされる区間だ。電柱や標識や木が人に見える。本当に人だとびっくり。今回前後にランナーがいるからまだいい。日付が変わり、翌日の日記に続く。

 

     前の日記           次の日記  

   旅がらすの乱ラン欄10年5月に戻る      からっ風の丘からHOME