次の夢を追いかけて 

 


旅がらすの乱RUNらん

 

 
  
2010年5月2日   県境から森本、兼六園、ゆめの湯ゴール

 

 暗く寂しい県境の道。初めてのときは、このバイパスではなく、旧道を通った。だから、かえって人家のある区間の方が多かった。2回目のときはこの道をたった一人。前後は何時間も離れている。ハイになっていたので、平気だったんだ。
 いくつかトンネルがある。その出口で脚のつった人がいて、心配した仲間がつきそっていた。今夜もけっこう寒い。ヒートテックを着てないし。走れていれば大丈夫だけど、何かあったら寒くてたまらないだろうな。
 それにしても着かない。ナントカ簡易郵便局が県境手前の目印だけど、旧道が交差するたびに期待するがはずれ。そのうちまた、もよおしてきた。県境にトイレあるといいな。まだまだ走り続け、郵便局はみつからなかったが、トンネルの先に県境があった。やっと着いた。真っ暗なので写真撮らなかったし、時間も記録してない。トイレも何もないところだった。いっしょにいたランナーに先行してもらい、草むらに忍び込む。なんとかなったが、大変!ない!!カミに見捨てられたときは、自らの手でウンをつかめって、そんなのヤダ。頭に巻いていたバンダナがある。今回はもう不要だ。これ使おう。あ〜助かった。ゴミを捨ててはいけないのは知ってるけど、捨てて来た。
 少し下ると、左に入ったところにてぬきうどん二店目があった。うれしい。ごちそうになり、旧道を進んでバイパスに復帰。下りは前回から数年たつが、まだ一部工事中だった。これがまた長くて、走っても走っても進まない。目印は平行する高速が近付いたり離れたりなのだけど。道端にボーット立っているランナーがいた。「みなさん、どちらへ行かれるんですか?」と。え〜?大丈夫、じゃないね〜行かれるって頭がイカレテルよ〜。「方向、間違わないでね、あっちが金沢。もう残り20kmきってるから」と答えると、「あ、同じ大会の人だ。あれ〜ここはまだ兼六園じゃないんですか?」おいおい、ほんとうにこりゃだめだよ。「持ってる服全部着て、少し寝たほうがいいよ」「でも、服持ってないんです」「じゃここで寝たら駄目だ、凍死しちゃうから。もうひと頑張りしたらローソンがあるから、そこで休んでね」この区間、歩道もない。道端に寄りすぎても、田んぼに落っこちてしまうし。心配だけど、その人2〜3人のグループにくっついて進みはじめた。
 で、人の心配してる場合じゃない。ひどい吐き気がおそってきた。ゲーゲーやっても何も出ない。そして、吐き気もおさまらない。何度も嘔吐を試みていたら、しまいに、苦い液体を吐いて、そのとたんすっきりした。やれやれ。その間に、フラフラの人も先に行ってしまった。
 しばらく先、車がとまっていて、何か欲しいものは?と応援と差し入れしてくれた。あの人、ここでしばらく車の中で寝せてもらえばよかったのに。いっしょにいたら頼んであげたのに。またしばらく走って行くと、フラフラさんにおいついた。眠気覚ましガムを持っていたのを思い出し、2個あげた。それから、あのお楽しみ、まだつかないかなあ。それとも、今年はないのかなあ。

 

 

 ありました!ヒロボーさんの知り合いの旅館で、みんなを応援するためでっかい幟を掲げ、ライトアップしてくれてる!そこには「さくら道270kmウルトラマラソン ようこそ金沢へ! 頑張れ!桜の勇者達・・・応援・朝日屋」と書かれている。へ〜、わたしらのこと、勇者だって!そうさ!ウルトラマンだもんね。かっこいい。とめちゃ感激したんだ。ほんとうに、勇気と感動が沸く。もう少しだ。
 ここからもうひと登り越え、ゆるく下って行くとローソンに着く。今回はローソンから左側の道、ネイチャーと同じコースをとる。初めての道のせいか、高速インターの周りの人家のない所のせいか、長く感じる。本当に、森本こっちでいいの?と、周りにいた人が心配している。なかなか街中に入らない。やっと、右側からの道を合流、歩道もあるようになったが、ガタガタ路面で走れない。車道をそのまま進んでいたら、パトカーが来て怒られてしまった。
 3時すぎ、やっと森本交差点に着いた。残り2時間で行くぞ!が、ペース上がらない。だけどみんなもくたばっている。がんばって市内を進むと、次々に仲間を追い越した。途中ほとんど会わなかった人たちだけど、少し前にいたんだ。兼六園直前では6〜8人のグループになった。案内スタッフがいるかなと期待してたけど、誰もいない。地図見ても道がよくわからない。初めてのときは、関家さんが佐藤桜までと、その先の広町交差点、香林坊へと案内してくれた。次のときは、園路に入らずそのまま進んで佐藤桜を通り越し、逆走して探した。その学習成果なく、またわからなくなった。みんなもあっちだこっちだ言って、ばらばらになった。ほぼ確信の持てる道を見つけたので、O崎さん、machidaさんを呼んだけどなかなか来てくれない。大きなアップダウンがあったけど、4:24佐藤桜発見!あったよ〜こっちこっちと叫んだら、来てくれた。
  坂を下りきって外の道に出たら広町交差点。また方角が?ここはmachidaさんが覚えていた。また集団が合体して大きくなってきた。このあたり、すでに旅がらすは右肩下がりがひどく情けない格好だ。でもそれは自力でなんとかできるからまだいい。machidaさんの場合は斜め後ろに傾き、要介護状態だ。脚は動くのでO崎さんがつっかえ棒になって進んでいた。
 金沢駅入り口を曲がり、すぐ先を左へ。線路をくぐり、もう少し。二口町交差点まできた。以前のルネスはここを右折、それからが長かった。ルネスがつぶれ、かわりに夢の湯ができて今回そちらがゴール。二口町を直進、前より近い。高速をくぐればもうすぐだけど、見えている高速が近付かない。着かないと思っても進み続ければ越えられる。もうちょっと、あの角を曲がってと仲間が、スタッフが迎えてくれる。もうすぐ!ゴールすれば、風呂入って眠れる。ゴールの横幕が見えた。着いた!!5時31分。よかった!みんなと走るさくら道を完走できた。17年前、この大会が始まったときからあこがれていた。やっと出場できる環境になったとき、終わってしまった大会。やっと再開し、出場し、完走することができた。

 後は、風呂入って寝て、酒飲んで、電車でまた寝て帰った。

 宴会も出ないで山口に向かい、萩往還を走る人がいる。今夜小諸に泊まり、川の道後半に参加する人もいる。ここで折り返し名古屋に走って帰る人もいる。今は、真似したくない。

 

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