次の夢を追いかけて

旅がらすの乱RUNらん

 

 2008年4月19日    おりひめさん追悼外秩父・奥武蔵ラン

 

 

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 2000年のトランスエゾで交通事故にあい亡くなられたおりひめさんには、いろいろな思い出がある。ネットの世界とオフの世界を始めてつないだ出会いでもあった。もうず〜っと前、まだ性能の悪い、HPの画像など開くのに大変な時間のかかる時代、ネットはもっぱらメーリングリストで活用していた。PCを使い始めてすぐ、仲間に教えてもらってウルトラマラソンのML、UMMLに登録した。オフですでに知っている人がたくさんいた。そこに自然とのふれあい、仲間とのふれあいを楽しむ温かみのある書き込みをよくしていた方が、おりひめさん。まだ面識はなかった。荒川マラソンを伴走でブラインドの仲間にひっぱられてヘロヘロになって走っていたとき、応援にきてくれたおりひめさんに初めて会った。UMMLで新しく知り合った最初の人だ。その後、あちこちの大会で顔を会わせ、私がよびかけた年越しマラニックにも何度も来てくれた。
 そのおりひめさんがトランスエゾで事故に会ったときはほんとうにショックだった。その後、おりひめさんがロングの練習でよく走っていた奥武蔵グリーンラインでこの時期、追悼ランの大会が開かれ、私も参加した。
 今年は、走友のあんころさんが個人的に追悼ランを呼びかけ、寄居から外秩父、白石峠、大野峠、グリーンラインと、おりひめさんの本来のコースを走った。
 八高線は不便なので、車でからっ風の丘を出発、寄居へ。駐車場を求めて駅周辺をうろうろしていたら、あんころさんからメール「今どこ?待ってるよ」待ち合わせの8時半まであと2分あるじゃん。「はいはい、ここ」駅前でみんなと顔を合わせてから、タクシーに場所を聞いて1日500円のコインパークに。結局遅刻なのだった・・・
 あんころさん、弟の兄さん、牛久の鉄人さん、世界のK井さんが今日の仲間。慣れた道だから、地図も見ないでがやがやとスタート。道なりに荒川を渡り、鉢形城跡へ。荒川は昨日の雨ですごい濁流だ。鉢形城跡の中を抜けて、裏道を通り、9:05釜伏峠への上り口に。雲がどんどん消え、良い天気になった。暑いくらい。 
 中間平にむかってくねくね登る。のどかな村を過ぎて(中間平ってこの村の名?)9:35見晴台に到着。この周辺が中間平森林公園。遠くに筑波山も霞んで見える。4人はこの大展望に見とれていた。
 樹林の中を抜けて釜伏峠に10:05。峠から右に釜伏神社へ行って急な岩道を下ると、名水大和水があり、その周辺がカタクリの大群落だ。今日はパスして先を急ぐ。アイスのおいしい登谷牧場の下を通るが、今日は次の秩父高原牧場で食べることにする。右手には我が地元の山々が連なる。目の前が蓑山、左奥に両神山、右に城峰山、後方に御荷鉾連山、榛名山、草津白根、鼻曲、浅間隠・・・あれ〜なぜか写真撮り忘れてる。
 ゆるやかなアップダウンの気分良い道を進むと、牧場風景が開けてきた。弟の兄さん、神戸の六甲牧場を思い出しませんか?前方にアイスやうどんの食べられるレストハウスが見えてきた。世界のK井さんはうどん、あんころさんと私は牧場牛乳とソフトクリームの両方を。牛乳はバリウムのような大きいカップにたっぷり。あんころさんは一気飲み。「胃検診でバリウムおかわりしちゃう人でしょ?」と思わずきいてしまった。ソフトは牛乳の味が生きて、濃厚でめちゃうま。
 粥新田峠から林道は両側に下ってしまうので、山道を大霧山に登る。11:30到着。山頂は好展望。振り返ると、今まで通ってきた尾根筋が見晴らせる。アイスの小屋は森影だけど、牧場は見える。秩父市街と、秩父盆地の周囲の山々のパノラマも広がる。山頂ではコンロでトン汁か何か作って箱酒、ワインボトルあけて大宴会やっているグループがあった。おいしそうだったが、見ていても分けてくれないので、出発。
 しばらく下ると獅子岩なるものがあった。そう言われればそう見えるか?? 
 定峰峠まで山道の登り下りが続き、案外長い。12:20到着。定峰峠では桜を期待していた。かろうじて残っているが大体は散りだ。そろそろみんな空腹。持参のおにぎりなどを食べ、自販機で飲み物補給。
 定峰峠と白石峠の間は尾根沿いの山道と、右側、左側にそれぞれ林道がある。(違った、左の林道はその先の大野峠近くまで行かないと合流しない)山道は距離が短いがアップダウンがきつい。13:09白石峠。グリーンラインへの道、堂平山への林道、山道、都幾川村への下り道、白石への道など林道、山道がたくさん交差している。たいそうな賑わいになってもよさそうな要所だが、茶屋も無ければ人もいない。でも明日だけはきっと大賑わい。東武鉄道主催の外秩父七峰歩け歩け大会だから。 
 じわじわと登り続けて、グリーンラインの大野峠に13:40ごろ。右は県民の森、丸山、奥武蔵ウルトラの折り返し地点。今日は左に向かう。快速ランナー一人にすれ違った。刈場坂峠では女性ランナー2人に会った。誰か知ってる人かな?と近づいたけど知らない人だった。高麗神社をスタートし、これから芦ヶ久保に下って電車で戻るとのこと。
 刈場坂峠近くにおりひめさんのメモリアル標柱が立てられている。おりひめさんのお気に入りコースのグリーンラインの中でも、特にこの周辺が好きだったから。標柱の周囲にランナーが花苗を植えたりしてきたが、なかなか土に合わず根付かない。
 麓は新緑だが、標高800を越えるこのあたりはまだやっと芽吹き。やわらかな緑の中を走る。奥武蔵ウルトラで私設エイドのあるブナ(木偏に義)峠に14:21、公設エイドのある飯盛峠に14:32。順調に関八州見晴台入り口、高山不動入り口と進み、いのぶたエイドの見晴台を過ぎ、おりひめ岩に15:12。おりひめさんの思い出にしばし浸り、おりひめさんの夢だったトランスエゾの完走を誓う。
 おりひめさんがよく立ち寄ったヴェラヴィスタを通過すると、顔振峠は近い。峠の手前は椿や八重桜の花が咲き乱れていた。ここからみんなは西武線の吾野駅に下っていった。
 旅がらすは一人反対側に下らなければならない。とりあえずいつもの平九郎茶屋で腹ごしらえ。うどん、と思ったがまだ店のおばさんの足の下にあった。今日は予想外に売れて、今慌てて打っているところなのだ。代わりに揚げ餅頼んだら、サービスに漬物やら採れたて筍の煮物やら出てきたので、ビールも。ここへ来るためにイノブタの旧Tシャツ着てきた。「あんたもブタさんかい?うちにはよくブタさんくるんだけど、このごろ怪鳥(とは言わなかった、本名で)に会わないね。どうしてるかな?」と聞かれましたよ〜。そういえばここのところ日程がダブルブッキングでイノブタ練習会、出てないなあ。 
 茶屋の窓からは遠くにトーキョーが見える。西新宿の高層ビル群らしきものが霞む。茶屋でゆっくりして16時になった。ほろ酔い加減で出発。
 顔振峠からグリーンラインはくねくねと下る。この区間は山道のほうが近くて楽だが、今日は車道。一本杉峠から黒山三滝方面に下る。まだほろ酔い、いい気分。麓の村に下り、黒山三滝入り口に着いたのが16:50。ここからできれば寄居まで走って戻りたいと思っていた。そうするとかなり夜遅くなる。9時か、へたすると10時。では小川町かな、と下方修正。そこへ雨がポツポツと降ってきた。雨の中走り続ける元気がない。濡れたくないな、一番近い越生から電車でGOにしちゃえ!携帯で調べたら、越生〜寄居は東武と八高があるのでまあまあの本数。うまくいけば17時46分に乗れる。駅へ急ぐ。時速7キロ、でもなかなか越生梅林にも着かない。もっとペースアップ。小川町への県道に合流。駅まであと1キロくらい?ぎりぎりで間に合った。が、電車が遅れて乗り継ぎができず、1時間後と同じ電車で寄居に。
 車で小川町の花和楽の湯に行ってゆっくり、岩盤浴つき、食事もして帰りは夜遅くになってしまった。

 走行距離54キロ。 

 

 

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