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08年川の道フットレース            千曲川〜信濃川ステージ 252km

 2008.
   5.3〜5.5


 

 小諸11時スタートというのは、場所も時間もなんとなく気楽で、準備はぎりぎり、5月2日のラン日記の通りとなってしまった。また、ジャーニーランと違って往復や宿泊地で使う荷物などの心配もない。着のみ着のまま一気に走るので、かついで走る物は、超軽量防水ウインドブレーカー上下、ジャパン合羽(これも不要になった)タオル1本、手袋、ライト、眼鏡ケース、薬、現金、カード、地図、携帯、デジカメだけ。ゴールは健康ランドだから館内着もタオルもあるので、預ける荷物も帰りの着替えだけ。今回は故障をしないことが第一、制限タイムは54時間(48時間のところが多いのに)無理せず、でも絶対完走しようと思った。時速5キロで計算、もし順調に行ったらさくら道なみのタイム狙おう。時速6キロの通過時間も計算したが、それは忘れることにする。ゆっくりの場合のタイムを計算しておくのにはもう一つ理由が。順調な場合の目標タイムで計算すると、それより遅れたときに走り続けるのがいやになってしまう(朝まで走りたくない、とか、もうゴールして休めるはずの時間だからこれ以上走りたくないとか)何かあっても、あきらめずに粘ろう。

 

 

 

 

 懐古園となりの小諸グランドキャッスルホテルに10時前に着いたが、全コース参加のランナーはみんなとっくに出発した後だった。スタッフとしてウルトラけんちゃんが来ていた。久しぶりの再会。このごろ走る機会が減ってしまったという。「群馬に来てよ〜。はまこうさん知ってるでしょ」と言うと、真面目な顔と声になって「政治家ですか?」(爆)東京湾ジャーニーでいっしょだったはなちゃんも今回はスタッフ。よろしく〜。
 後半参加者もほとんどが受付をすませ、広間で準備中だった。私は、準備と言っても特にすることはない。10時半、開会式と説明会の時間だ。みんな玄関前に集まってくる。集合写真など撮って、定刻に笛の合図でスタート。

 

 

 後半参加者は20人あまり、スタッフもみな顔見知りで和やかに旅が始まった。
 10人以上が一団となっていたが、だんだん縦に伸び、エゾ女王さんはどんどん前に行ってしまった。でもどういうわけか、定坊が伸びた列の後ろのほう、私の少し前を2〜3人で走っている。このあたりまでは地元の延長のような場所。左手、千曲川の対岸の丘にあぐりの湯温泉が見える。周りにつられて走っていたが、ペースがわからない。湯の丸高原への道ついで湯の丸ICへの道が交差、左、立科方面の「牧家」の信号でひっかかったので地図と時計をみたらビックリ。6キロきているのに37分。時計がおかしいのか?と周りの人に時間をきいてしまった。38分か39分、1〜2分ずれがあるだけ。250キロのペースとして速過ぎるのでつられて着いて行くのをやめた。道路の反対側をO川さんが走っていて、しばらくは同じペースだったが置いていかれた。後ろから2〜3人がきて抜かれた。みんな速いなあ。
 小諸〜長野の18号線沿いは市街地が続き、店も多いので食料調達に不自由がない。便利ではあるが、山の中なのに国道沿いの家や店舗に遮られ、景色が開けないのがつまらない。1時間半くらい走ってやっと遠くの山が見えてきた。国道の南側には旧街道(北国街道)が続いていてとくに海野宿は旧い家並みなども残っており、そちらを走りたいが、今日のコースは国道。ちょっと残念だが遠いところではないのでこんど自分で走ろう。

 

 

 左側に緑多い公園?が広がり、看板を見たら信濃国分寺跡。新しい駅もできていた。地図を確認すると、もうすぐ継ぎ目、その先で上田バイパスと市街地方面が分かれるので要注意。その地点まで行ったら自然と市街地に向かえた。突き当たり(細い道なら正面にあるが)を左、上田駅前を通って、上田城跡に。一応地図が必要な区間だ。周囲にいた人は地図を見て走るジャーニーに慣れてないらしく、道を不安がっていた。ずっと前に行ったはずの定坊たちもここで合流、CP14(荒川河口からの通し番号)の上田城跡(18.8km)に13:06到着した。水道でボトルに水を補給し、顔を洗い、エイドでお菓子や飲み物をもらう。14時半〜15時の予定だったので貯金がたくさんできたけど後が怖い。

 

 

 上田城跡の近辺は遊歩道のような道で木陰が多くほっとする。すぐにまた18号に合流。町外れの市場の駐車場にA井夫人がいて、大粒のイチゴを差し入れしてくれた。道が右にカーブし、地名が「ねずみ」どんな字?と思ったらまさかの「鼠」旧い家のある宿場だった。上田から約1時間、アルプスだろうか?雪山が見えてきた。「テクノさかき」駅、JRがしなの鉄道になってからいろいろ新駅ができた。

 

 

 右から旧道が合流。跨線橋をわたり、「川の道」らしく千曲川沿いになる。

 

 

 上の写真左は坂城あたり。戸倉温泉の裏山が見えてきた。中腹にある神社(?)がよい目印。戸倉の街を過ぎると、次は屋代。店がたくさんあったので、このへんでがっつり食べることにした。すき家発見。ちょうどいい。冷房のきいた店内で、冷たいお茶たくさん飲んで牛丼。完食は無理だった。牛肉の脂が胃にもたれる。ごはんもあまり入らない。もう少し涼しくなってからのほうが食べられたかな?これ以上後だと疲れて食欲もっと落ちるかな?難しいところだ。ここで30分くらい休んでしまった。でもしばらくすると力が出てきた。正解だった。
 道が大きくカーブ、高速のインター、しばらく先で高速をくぐり、CP15までの3キロはすぐだった。(と感じる牛丼パワーだ)CP15篠ノ井橋北詰(43.4km)は16:39。ここで初めて全コースのランナーに追いついた。上の右の写真は篠ノ井橋。この2枚の間は2時間。

 

 

 上の左の写真も篠ノ井橋からの眺望。ここから18号を離れ、左の側道に下り、長野市内をめざす。先行していたO川さんに追いついた。このあと宝山荘まで前後して進むことになる。
 次はあんころさんに追いついた。アイシング用の氷をぶら下げて走っている。ゆっくりだけど元気そうだった。「あんころさんの辞書には楽しい、おいしい、きれいしかないんだよね」「そう!」常にマイペースを守り、「つらい、苦しい」がない。新潟ゴール後折り返し走って帰るつもりだったのにはあきれてしまう。

 

 

 17:45犀川(この少し下流で信濃川に合流する)を渡り、長野市街地へ。跨線橋を渡った先にしばらくぶりにコンビニがあり、牛丼から2時間近くたつので飲食物の補給に入った。ここにも一人後半参加のランナーが。
 善光寺の参道に入るとエゾ女王さんとすれ違った。もっと離れているはずだったが、「道間違えてすごくロスしちゃった」とのこと。

 

 

 暗くなる前に善光寺に着くことができた。よくて19時(巡航速度時速7キロ)という計算があったが、はじめの20キロの貯金のおかげだ。本堂の賽銭箱、CP16(56.3km)に18:36。

 

 

 善光寺の参道を戻り、先ほどの道の続きを進む。暗くなった。3〜4人くらいが前後して進んでいたようだ。汗でTシャツが擦れてしまったが何の対策ももってないので薬局に入りワセリンゲット。ついでに栄養ドリンクも。18号に合流したが、市街地をはずれ寂しい道になる。店が少なくなった。食欲ないがガス欠ぎみで、食べられそうな物探してはコンビニに各駅停車。17CP浅野交差点(71.6km)に21:11。ここで18号と別れ、117号を進む。交差点付近は工事中、地図では直進の感じだが、右折する。新興住宅地の上り坂でまたコンビニへ。食欲なく一度に少量しか食べられず、良くかんで少しずつ流し込もうとするが、噛んでいると気持ち悪くなる。空腹でも気持ち悪くなる。食べれそうなもの探してコンビニタイムのロスが大きい。その後人家もほとんどなくなる。村はこの道の1段上か下にある。千曲川にそってカーブが続き、明るければ景色の良い区間だ。空を見上げると、星がめちゃくちゃ多い。田舎に住んでいていつも星をみているが、今夜の星空ほどのは見たことがない。
 千曲川の対岸には長野電鉄が通っており、そちらのほうが開けている。寂しい道は長く感じるが、古牧橋の北詰まで来たらなんとなくめどがたったような。バイパスか何か、新しい道が上方から近づいてくるのがわかる。そのバイパスらしき道に合流し右へ。急に道幅広く明るく店のある所になる。次の要注意箇所は飯山市街への分岐。似たような分岐をひとつ見送り、次を左へ。こんな時間で店は閉まっているが、商店街だ。CP18飯山駅(89.1km)0時をめざしたが、0時09分。
 踏み切りで楽松師匠にあった。寺めぐりに入るという。私は暗いから遠慮して、商店街をまっすぐに。きれいな街並みだ。新しいが旧い造り、さくら道の城端に印象が似ている。飯山のほうが規模はずっと小さいが。
 飯山の町を出ると、ますます寂しい道になる。人家が全然ないところに新しく通ったバイパスだ。千曲川を渡ると一軒コンビニがあった。この先はもう何十キロもない、最後のコンビニだった。その手前でコンビニに入ったし、パンも水分も持っているので通過。あいかわらず食欲なく、かといって空腹になるととたんにガス欠状態でフラフラする。パンをよく噛み水分少しずつで流し込む。バイパスには幅が広く路面も良い歩道がずっと整備されているので真っ暗な中でも転倒の心配なく走れる。ズリ足なので路面が木の根で盛り上がったりひび割れたりのちょっとしたことで躓いてしまうのだ。2時、shirubeさんに追いついた。善光寺での時間差から浅野〜飯山間をねらっていたが、こちらも時速6キロの巡航速度に落ち着いたのでそう簡単に差は縮まらなかった。計算上100キロ地点、北原集落の近くだと思う。道沿いにもたまに建物があるが、村は旧道のほうなので、ときどき出入り口の標識がある。さくら道の蛭ヶ野への上りを思い出す。でもこちらはごくゆるい下り傾向のアップダウン。
 延々と暗闇のバイパスを走る。自分のペースで単独で走っているが、数人が前後している(はず)。明るければ左に信濃川、右に山村風景、両側に山々がそびえさぞ美しいところなのだろう。この区間も星空が美しかった。110キロを過ぎ、東大滝で信濃川の左側に渡る。アップダウンが急坂になり、いくつか小さな峠を越えながら進む。明るくなってきた。大滝、白鳥、平滝、これもさくら道の白鳥、白山長滝を思い出す。こちらのほうが村が小さくまた駅がどこだか見つからない。萩は出場してないし、関西周遊、武蔵野は設定もコースの雰囲気も違うから、250キロで経験あるコースとしてやはりさくら道が浮かんできて重なる。横倉トンネルあたりで、歩きと走りを交互に進んでいるO川さんに合流。歩きのときに先行した。トンネルを抜けたら新潟県かな?まだか。

 

 

 5時になりすっかり明るくなった。景色が見えたら、やはり良いところだ。青倉の村あたり、家の感じが新潟県っぽい。地元圏内から、ずいぶん遠いところまで走ってきた。

 

 

 川の向こうに雪の残る山々が見える。森宮野原駅入り口を通過、新潟県入り!県境の道の駅を過ぎ端を渡るとレストポイントの宝山荘だ。ここで一眠りするためには、まだ眠い時間に着きたかった。5時20分、まあまあのタイム。
 スタッフが食事を作ってくれていたが、全然食欲がない。休んだら内臓も回復するだろうと後回し。ここでやっと全コース参加のランナー多数に会えた。さくら道でいつもいっしょだったくみ子さんが休憩を終えて出発準備を始めていた。よかった、ここまで順調に来ていたんだ。「ほら、こんなことしてるんだ〜」と孫まご2人の写真をプリントしたタオルを帽子に付けていた。1人目がうちといっしょだが、女の子なのでとてもおしゃまさん。昨年2人目が生まれたそうだ。
 全コース参加のときはレストポイントごとにしっかり休んで回復しながら走るつもりだが、250キロだったら一気に行きたい。ここで2時間足止めなのだが、あとで眠くなるロスを考えると眠ることを中心にしようと思った。でもここは温泉!「気持ちよかったよ、いい温泉」と勧められ、また臭いまま共用の布団には入るわけにもいかないし風呂に。やはり温泉はいいねえ。天国だ。そのまま寝込んでしまいそう。ほんとに、布団で寝ないで風呂で仮眠しようかと思ったくらい。溺れたらたいへんなのでそれはあきらめ、帰り道用に1組しかない着替えになって一眠り。臭い服は脱衣場のカゴにひっかけておいた。寝ようとするころ入れ違いに定坊が出発した。1時間眠って、蕎麦とおでんを食べながら、けんちゃんに肩や背中をマッサージしてもらう。ゴチゴチにこっていたので助かる。脚はここではいじらずゴールまで行くことにした。このエイドには特製手作りカレーもあったが、それを食べるまでには胃腸が回復していない。一足先にエゾ女王さんが出発。

 

 

 風呂場でまた臭い服に着替え、7時45分、宝山荘を出発。他の250キロ参加者はここでもう少し眠っていくらしい。
 空気が澄んで山も花もきれいだ。ときどき信濃川が見おろせる。この区間がコースで一番美しかった。調子も出てキロ9分で走る。

 

 

 道の左側、田んぼの中の小さな村を見おろして走る。スキー場や宿泊施設の看板が増えてきて、津南の村に入った。コンビニもあり、おにぎりやヨーグルトを補給。このあたりからだんだん開けてきて店のある村が増える。季節にはスキー民宿になるのだろうか。

 

 

 清津川を渡るあたりからどんどん暑さがひどくなってきた。全コースのランナーを何人か抜いてまだ快調だったが・・・次のコンビニでグレープフルーツ味のアイスを買って食べていたら、だんだん薬臭さが鼻についてきた。それをきっかけに気持ち悪くなり、あわてて胃薬を飲む。全然治らない。もう気持ち悪くてたまらず、側溝の金網で・・・吐いたらすっきりするかもしれないが、何も出ない。消化の良いものばかり選んでいたので胃が空っぽなのだ。数メートル進んでまた側溝の金網に・・・また嘔吐反射だけ。数メートル先でまた・・・その繰り返し。吐いても吐いても中身が出ず、猛烈な吐き気が続いたまま。しばらく苦しんで胃酸と胆汁出してやっとスッキリした。また走れるようになった。次のコンビニではおかゆと味噌汁にする。ちょっと補給に時間かかるがやむをえない。
 飯山以来の大きな街、十日町の市街に入った。ここはびっくり見事なシャッター通り。それも新しくきれいな店が多いのに。時刻は12時ちょっと前、なんでどの店も閉まっているの?
 十日町を抜け、田んぼと村の人家が続く道でますます暑い。平坦かと予想したらゆるいアップダウン。民家や公民館の外水道で顔洗ったり水飲んだりしながら進む。小公園の東屋で長岡のランナーの私設エイドがあった。冷たいおしぼりが気持ちよい。走っているときは単独だが、ここで数人、前後のランナーに会えた。が、今日(仮眠後)会うのはは全コースの参加者ばかりだ。250キロの他の人はどうしたんだろう。
 その後あまりの暑さにまた吐き気が襲ってきた。眠気も出てきた。道端の石に腰掛け膝を抱えて一眠り。10分くらい寝たら吐き気が治まった。ゆっくり走り歩きをして159キロ20CP魚沼橋に14:34。小千谷市入りだ。小千谷にはWさんの大エイドがあるが、場所がどのへんかわからない。このあたりから全コースの2人といっしょに行くことにした。

 

 

 魚沼橋から小千谷の市街地はまだまだ遠い。山のず〜っと上を通るバイパスに向かって大きくアップダウン、また一番下までおりて登って・・坂の上からの見晴らしは良い。遠くには雪山が聳えている。コンビニで補給のためまた単独になった。少量ずつ、限られた食べ物しか受け付けないので相変わらずコンビニ各駅停車だ。
 調整池のある山の下を過ぎ、田んぼの中の広々した道を行く。小千谷は市街地に入らずバイパスでぐるっと迂回。バイパスは店が多く住宅があるとまた新築の売り出しだったりして看板、幟が立ち並ぶ。Wさん宅にはUMCの看板を出してあるというが、紛らわしいから探すのが大変。見つからないままバイパスが終わり旧道と合流。通り過ぎてしまったのかなと半ばあきらめ、看板のあったベイシアをめざす。大きな交差点の角にベイシアやコンビニがあり、どちらに入ろうかと思っていたら、道の左側から呼び込みが。ベイシアの駐車場入り口に一軒建物(工場?)がありシャッターが半分開いてその中は賑やかだった!知っていればとてもわかりやすい場所。

 

 

 おにぎり、お菓子、漬物、梅干その他いろいろな食料が並び、ビールにソフトドリンクも各種。当然ビール!といきたいところだが、胃が治らず受け付けない。塩気のあるものを少しいただきながら30分くらい休憩。具合悪いなら少し寝ていけば、と勧められたがさっさとゴールしてからゆっくり休みたい。17時45分、Wさんの大エイドを出発。ここから道は17号になった。ベイシアに17号、帰国したみたいな感じ。
 1.5キロでCP21越の大橋西詰め18:05。

 

 

 信濃川はさきほどまでの激流から、ゆったりした流れに姿を変えている。橋を渡ると史跡らしき公園。ここからは新興住宅地や郊外型店舗が点在する幅広い単調なバイパスを夕暮れと競り合って走る。長岡の分岐を間違わないように、暗くなる前に入りたかったのだ。数人が前後しているので、暗くなってきたら前のランナーの点滅ライトが見えて目印になった。
 郊外型店舗の並ぶ区間、町外れっぽい住宅街などを抜けだんだん市街地の中心に。道幅がやたら広く、りっぱなアーケードがある。積雪期対策なのだろう。上越線乗り継ぎで新潟方面へ行くときの乗り換え駅だが町へ出たことはない。CP22大手町交差点、190.0km(長岡駅近く)に20:16。CPを過ぎてから2キロ以上は市街地だが、この時間しまっている店が多く、とても長く感じた。そのあとは工場や倉庫の並ぶ暗い道。地図のカーブや二又をずっと先のそれと思い込んで、どこまできているかわけわからなかった。めちゃくちゃ眠く、歩道の端に座り込んで何回も居眠りした。そうすると後方からランナーが来る。数人はまだ前後して走っていたのだ。
 1晩目、山奥の暗い道を走っていたとき、2晩目は長岡〜新潟ならきっと小諸〜長野のように市街地が続いて心細い思いはしないだろうと期待していた。「2晩目も暗い。最後は田んぼの中の30キロ、何もないところ」と聞いてもピンとこなかったが、、、長岡の町外れで暗いところをずいぶん長いこと走った。約10キロ、すごく長く感じた。やっとバイパス?国道?に出たら、とりあえず店があり明るかったが、まもなく工場と田んぼの暗い道になった。やはりそうなんだ。暗い道、、、7〜8キロ行くと、新幹線のガードがありその近くに健康ランドがある。前後していた全コース参加者はそこで仮眠するらしい。
 しばらくすると、わりと賑やかになり、燕だか三条だかの市街地になる。そしてCP23「三条大橋」やった〜!ゴールだ?違う、ここは京都じゃない、、、213.4km、0:35通過。橋を渡ってしばらくは24時間営業のガススタがあったり、新幹線駅そばのホテルが見えたりでまあまあ賑やかだった。弥彦線のガードをくぐり、小さな川の手前にあったコンビにで補給、それからカーブを曲がったら、急に真っ暗な田舎になった。いよいよ何もない田んぼの中の30キロの始まり。
 まず220キロあたりまで、地図では道が大きな弧を描いて右カーブしているが弧が大きすぎて実際はどこまで来ているかわからない。眠くなってきたが必死で現在地を確認。そのあと左に大きくカーブ、1時半ごろに220キロを過ぎていたらしいことは確認できた。周囲はいよいよ真っ暗になり、歩道もない。道端は田んぼというより、草むらでその奥に用水路があったり工場や倉庫があったり、よくわからないが民家は全然ないみたい。一度ちょっと賑やかになり(といっても小さな村)コンビニがあったが通過してしまった。なんで入らなかったのかなあ。眠くて眠くて意識朦朧。でも「ここの道端で寝たら、不審者として襲撃される」とわけのわからないこと考えてひたすら走り歩き続けた。ときどき足ががくっとなる。歩きながら眠っているからだ。もうどこまできているのか全くわからなくなった。道路標識の地名も知らない所ばかりなのでわけわからない。信号機に書いてある地名が白根市から新潟市になった。ということは235キロあたりまできたんだ。寝たまま走っているのにずいぶん進んだなあ、でもいつのまに白根市街を通過したんだろう??
 そう、全くのぬか喜びだった。コンビニがあったので縁石に座ってしばらく居眠りし、眠気覚ましガムを買った。やっとすっきり目が覚めた。3時半。もう少しで明るくなり始めるだろう。ここはどこ??どうもまだ230キロまできていないらしい?3時間で5キロしか進んでいない?(そんなわけではないが、目が覚めても頭が働かず計算できない。実際は2時間で7〜8キロだったようだ)けっこう復活して走れるようになった。薄明るくなるころ、道幅が広がり、両側は住宅が続きそれから石屋がやたらと出てきた。やがて超巨大な石屋が現れ、何かの会館なんかもあって白根市街地であることがわかった。すっかり明るくなった。

 

 

 市役所入り口を通過。また町外れとなり周辺は田んぼ、遠くの山に日が昇ってきた。4時40分ごろだ。そのあたりからは、現在地がはっきり確認できるようになった。先が見え、ペースが上がってきた。ラストスパートにはちょっと早い。つぶれないように抑えて、、時速7キロ。5時40分、中口川の橋を渡った。土手に出てからはウイニングロード、というつもりで残りの距離を考えてきた。だからもうわずか3キロだ!昼は暑くて吐き気に苦しみ、日が暮れてからは眠気に苦しんだ、でももう苦しさは終わった。ラストスパートだ。道の駅まで1キロの案内看板が出てきた。入り口の看板まできた。もうちょっと。

 

 

 CP24道の駅「新潟ふるさと村」243.3km、6:04。そこから信濃川の土手に上がる。やたらと元気が出た。最後までもつだろう、ガンガン行っちゃえ〜〜。サイクリングロードをぶっとばした。ただ、橋のところは土手のままか下に迂回するかわからない。犬の散歩の人に聞いたりしながら、あ〜いちいち登ったり下りたりなのか〜最後に疲れるな〜とブーブー言いながらも、必死でスパート。新幹線や高速をくぐり、そろそろ対岸にゴールの健康ランドがあるのわかるかな?建物はわからないが、対岸から声援が聞こえた。手を振っている人たちがいる。はなちゃんだ!スタッフをしている仲間達だ!あのあたりがゴールなんだ!

 

 

 ゴールに向かうとき渡る水門も確認。橋を次々にくぐり、河口の水門が見えた!やった〜〜!海だ!日本海だ!!

 

 

 CP25日本海岸248.6km、6:51。後4キロ近くあるが、7時半前にゴールしたい。いろんな方向の写真を取り捲ったら速攻折り返し。河口の水門を渡り、対岸を戻る。地図でサイクリングロードでも遊歩道でもどちらもOKというところはいつのまにか遊歩道に入っていた。水門を渡り、道がカーブ、そこまでは自然にわかった。(暗い時間の人はこのあたりもずいぶん苦労したらしい)未開発の草地の中の道を1本見送り、建物のある地帯の手前の大通りを右折しようとしたら、路面に直進の矢印が書かれていた。何で??と思ったが余計なこと考えるのはやめといて矢印に従った。次の大通りに右折の矢印があった。地図だとそこからしばらくは何もなく、ちょこっと建物があって、大きな建物があって、ゴール入り口の曲がり角。角にはスポーツスタジアムの「グランド」がある、と読んだ。スタッフが迎えに出てきてくれた。地図と周囲の様子が違い、わけわからないが着いて行った。デイリーの角を曲がってすぐそこがゴールと言われた。あれっ?グランドなんてないよ?あとでわかった。「グランド」ではなく「ラウンド」だった。スポーツジムの名称。ホンマ健康ランドの駐車場があり、入っていくとみんながいた。ゴールだ!7:21:48。ありがとう!そのあと開口一番「これで再来年までスパルタスロンに出られる」そう、「タイムにかかわらず200キロ以上」という項目が残る限りね。記念受験を続けよう。
 それから舘山さんに「2位ですよ」と言われた。女性ではなく総合だな、となんとなく思った。エゾ女王さんはどこかで寝てしまったんだな。男性陣もみんな。 

 ビールもらってとりあえず一人祝杯。脚は全体がジンジン痛むが、マメなどはなく無事だ。風呂に入ったら眠くて溺れそうになった。昨夜のうちゴールしていたジョイナーさんと合流。仮眠したり食事したり飲んだりして後続を待ったが、肝心のときいつも寝ていてゴールの迎えがほとんどできなかった。この日のうち帰宅する予定だったが、仲間のゴールを待ち宴会するため泊まることにした。制限時間内にあんころ姫さん無事ゴール。全コース完走で疲れもみせずはしゃいでいた。折り返し走って帰る予定だったとは、怖い物知らずでびっくり。さすがにやめたけど。
 全コース520キロの参加者、完走者は年々増えている。90キロを連日かと思うと全く自信がないが、ぜひ次の機会には全コースにチャレンジしたい。

 

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